ナズナ記

日記

表面実装は怖くない!?

引っ越してから色々趣味を再開し始めたので、机の面積を趣味の品でだいぶ奪われている。マウスを動かす隙間さえ作るのが難しい。そんな時、KeyBallというトラックボール付きのキーボードを見つけた。とはいえ、個人的にトラックボールはあまり使う気が起きなかった。最近、急にマウスが不調になり始めたので、まあ食わず嫌いもよくないか。とKeyBall 39を買ってみることにした。

【委託】Keyball39shop.yushakobo.jp

かなり人気の商品のようで、遊舎工房の在庫数を見ていた感じでは約1ヵ月で150個ほど売れているペースだと思う。そもそも供給が間に合っていないようで、今回の在庫補充で買うか悩んでいる間に50個ほど消えていたので急いで買った。自作キットでここまで飛ぶように売れるのは中々すごい。

Q, 表面実装は怖くない!?

A, 怖い

KeyBall 39は表面実装部品が大半を占めており、手を付けるハードルが結構高いキットなのではないかなと思う。そういうのもあり、このスピードで売れるのは中々不思議なものだ。玄人のみが買ったとは思えない。

表面実装部品は一般的なスルーホールのノウハウは活かせるが、やはり考え方が少し違うなと思った。

スルーホールとの違い

まあ表面に実装するだけなのだが、特にチップ部品の半田付けについてはピンセットが必須工具になる。

そもそも、ピンセットの扱い方も意外と難しい。暫く半導体を扱っていた時に痛感した。あと、半田の癖をちゃんと理解していないとそもそもランドに乗らなかったりする。

こういうのもあって初自作キットの人が買おうとしていたら止めるかな…。

表面実装については初めてではないがほとんどやったことはない。一応、過去にチップ抵抗を数個実装したくらい。

youtu.be

その時に見つけたのがこの動画。当時うまくいったかと言われればあまりうまくはいっていないのだが、今回のビルドの時にこの動画を思い出して参考にした。

中央のR14,R15が当時の半田箇所。ちょっと汚い。

今思えば、このランドの予備半田は鉛フリーなので温度が足りなかったのかなとか思う。RoHS表記もあるし。

実装してみる

このキットのチップ部品はダイオードのみ。足が浮いているのでちょっと難しい。

このチップ部品を半田付けしていて思ったのが、やはりフラックスは必須だなと思った。今回、面倒だったのでフラックスを使わずに半田付けを行った。とはいえ、どんなにうまくやっても、やはり何度かはダマになったり半田が引っ張られたりしてしまうのでそういったものを修正するとなるとフラックスは必須だろう。はんだに慣れている人ならまあどうにかなる。

 

チップ部品のリール、何かとロマンを感じるので無性に取っておきたくなる。

 

あとはもう片足をはんだ付けして、再加熱で手直し。こういった手直し中に大体やらかすのでフラックスはあるに越したことはない。

スイッチソケット。これも表面実装。

こいつがなかなか曲者で、ちゃんとはんだ付けできてそうでも、スイッチを刺したときに浮き上がったりする。ソケットの受け金はちゃんとはんだが流れないようにしてあるようなので多めにはんだを流したほうが良い。あと、一通りはんだ付けしたら、ソケットをピンセットか何かで押しながら再加熱しておくと浮く恐れがない。

あとはスルーホールばっかりなので楽だった。

スルーホールの中でも光学センサだけは少し気を使った。どうも、熱にかなり弱いらしくはんだ付け時に壊れることがあるとのこと。手元に余ったヒートシンクがあったのでセンサをそれに乗せて作業した。

スイッチはEverglide Aqua King V3 Switches Linear 55 g。展示品に刺さっていたものを触ってかなり気に入ったので買ってきた。見た目によらず、上品なスイッチだ。とはいえ、スイッチはホットスワップなのでいろいろ遊びたいところ。

最近気づいたが、Everglideは中々自分好みの商品があって面白い。最近だとこんなものも。側面印刷の透明キーキャップ。刻印が削れる心配も無用…かも。

Cool ice transparent with side print Keycap Setshop.yushakobo.jp

キーキャップはAmazonで買って結局使わなかったものを再利用。品質はなかなかよさげなのでちょうどよい。

まあ特に失敗、後悔なく完成した。

ビルドの感想

全体的にハードルは高め、難易度は中くらい。はんだ付けの難易度自体はDactyl系よりは簡単だと思う。ただ、表面実装やピンセットの扱いに慣れるのに多少練習はいるのでハードルは高め。2時間で完成したがまあまあ楽しかった。

キーボードの感想

見た目以上にしっかりできている。でも、スイッチプレートとPCBの間のアクリルの寸法はもう少しどうにかならなかったかなあと思わないでもない。この程度だとむしろ改造するモチベになるのでどうということはない。

使い勝手の感想としては、かなり取り回しが良い。(Dactylなどに比べて)手のひらサイズで薄型なので、基本的にどこでもキーボードとマウスを用意できることになる。かなり強力。職場のデスクが狭いので、もっていこうかな。

ただ、やはりDactylみたいなキーボードに慣れていると、キーが遠く感じる。取り回しと打ちやすさで一長一短といったところか。

あと、サムキー群は最低でもボール側1キーはロープロファイルでないとボールを扱うときに不自由を感じる。今回はCherry互換にしてしまったので、後から付け替えようと思う。

 

この記事を執筆するにあたって使用したキーボード。

Keyball 39 + Everglide Aqua King V3 Switches Linear 55 g + Ussixchare Monster CSA