ナズナ記

日記

学び

完全独自設計のキーボードを作るぞと意気込んだのの、配列に関してはどう考えても現状Dactylキーボードのほうが良いので、今回目指しているデザイン、設計のきっかけになったキーボードを作って知見を得ることにした。

背景

今回構想しているキーボードは主に2種類のキーボードから強く影響を受けている。

github.com

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特に、Chortylの配列とスイッチプレートの独立性に興味が出た。デザインに関してはCygnusを参考にしようと考えているが、現在難航中。曲面の設計にかなり苦戦している。

ということで、味見的にChortylを作ってみることにした。

作ってみる

印刷してみる

ちょうど有名どころのPLAフィラメント*1を使っていたので印刷条件出しも兼ねて印刷してみた。スライサはPrusaSlicerでほとんどデフォルト設定、サポート材をスナッグ、温度設定をBed 75℃、Extruder 220℃*2にした。

印刷自体は比較的きれいにできたのだが、サポート材の除去が苦痛*3だった。

サポート材が癒着し、張り付いてしまった

さすがにもう一回同じ作業は嫌だし、今後のためにポート材の条件を見直してみる。

軽く条件出ししてみる

コンタクト層をペンチで掴みやすいように3層から6層、サポート材とモデルの癒着を軽減するためにコンタクト層のピッチを0.0 mmから0.5 mmにした。

完全に癒着してしまった

結果は大失敗で、特にピッチを0.5 mmにしたのがまずかった。コンタクト層の強度が低下するので癒着したコンタクト層が細切れになり、剥離が不可能になってしまった。

 

次の方針として、コンタクト層の強度を上げ、癒着を軽減する方針にした。

コンタクト層は6層のまま、コンタクト層のピッチを0.0 mmに戻した。また、コンタクト距離も0.2 mmから0.22 mmに伸ばした。

温度設定を見直し、Bedを70℃、Extruderを210℃にした。

コンタクト距離を伸ばし、印刷温度を下げることによって癒着を低減する試みだ。

サポート面表面が若干荒れているがほとんどわからない

方針通り、コンタクト層がまとめて剥離することによって苦痛なくサポート材の除去に成功した。コンタクト距離が広がったことによりモデルのサポート面の接合が悪くなってしまった影響で若干表面が荒れている。剥離したフィラメントを処理すれば問題なさそうだ。

試し打ち

ということでお試し用ケースが完成した。PLAで刷ったおかげか打ち心地が思ったより柔らかい。配列に関しては正直勝てない気がしてきた。かなり合理的なキー配置である。人差し指の遠いほうの列の設定はかなり優秀で、手首を全く動かさずにタイピングできた。

今後の予定

折角刷ったので使えるようにビルドしてしまおうと思う。ただビルドするのもつまらないので、今回は無線化してみようと思っている。

QMK、QMK-Vialのビルドは概ね流れを掴んだので一歩進んでみる。

個人的には無線デバイスは趣味ではなかったのだが分割キーボードを触ってみると、これなら無線化してもいいかもなと思うようになってきた。主に左右のキーボードを接続するワイヤがなかなか邪魔だからだ。

バッテリーはどうしよう。とりあえずよさげなスイッチを探したいところだ。

*1:Sunlu PLA+ Gray

*2:フィラメントメーカの推奨温度設定はBed 70°C〜80°C、Extruder 210°C〜235°C。初めてのフィラメントは毎回少し高めにしている。

*3:除去にかかった時間は8時間。水ぶくれもできてしまった。