「新しい」配列を試してみる
小学生の時にパソコンを与えられてから、キーボードのタイピングはほとんどQWERTY配列を使っていた。このころは「かな」配列という文化もまだ感じられていて、初めにどちらを練習するかと迷った思い出がある。
QWERTY
QWERTY配列は効率が悪いといわれている。
実際、QWERTY配列はタイプライターの時代から殆ど進化せず現代で使われれている。そのため、QWERTY配列が当時効率が良かったとしても時代が変わって頻出単語や文字が変わってしまい効率はいくらか悪そうな印象もある。
最近考案された配列としてDvorak配列や、Colemak配列、Walkman配列、Eucalyn配列などが挙げられる。とはいえ、世界はQWERTYでできているのでタイピング以外を考えたとき、全く不自由である。そのため少しでも世界に認知されているものを使いたいと考えたとき、Dvorak配列、Colemak配列が候補として挙がる。*1
Dvorak
1932年考案。母音が左手に集中しており、日本語のタイピングを考えたときに左右の手が交互に動くので効率がよさそうである。頻出子音キーが右手によっているのもなかなか良いが、Kが左手側にあるのはマイナス点である。記号キーにも気を配っており、特に「、」「。」キーが押しやすい箇所にあるのは魅力的である。
Colemak
2006年考案。母音が右手に集中している配列であるが、Dvorak配列に比べてAが左手側にあったり、右手側の子音も一列にまとまっているわけではない。ただ、頻出子音を気にしてみると全体的に一列にまとまっている。外れてしまった母音や子音も押しやすいキーに配置してあり、これはこれでよさそう。QWERTY配列と共通部が多いという点がよく利点として挙げられるが、個人的には混同してしまうのでマイナス点。
検討
結果的にColemak配列を使うことにした。
- 2006年考案。
- 2000年代は現代的な作業環境に近い
- そもそも、Dvorak配列の時代では環境、文化ともに離れすぎていないか。
- プログラマ考案。
- 打ちづらい位置に頻出キーが存在しない。
- Dvorak配列のあのKの位置は許容できない。
- 日本語でも評価が高い。
という点からColemak配列にすることにした。
実装
キーボードのファームウェアにQWERTY配列とColemak配列を共存させた。
QMKの配列設定は、遷移レイヤを作りDefault LayerをQWERTY配列とColemak配列で変化させる仕組みにした。QMKには遷移レイヤの番号が遷移先レイヤ番号より大きくないとうまく動作しない仕様*2があるようで、かなり悩まされた。
利点
3日で配置を覚えることができた。1週間後には仕事でも使うようになった。タイピング速度に関しては1/5になったが、明らかに指のバタつきが減って、手首が動かなくなった。Colemak配列の作者曰く、「腱鞘炎にならないように」とのことだったが納得できる快適さだ。現在3週間目だが、殆ど思った通りにタイピングできる。
欠点
QWERTY配列と近い部分があるので偶にQWERTY配列のKやIをたたいてしまうことがある。
わかってはいたが、かなり致命的なのが愛用しているテキストエディタ、Vimの使い勝手が絶望的に悪いのでQWERTY配列も練習しないといけない。
あと、大抵のこの手の話にある「QWERTY配列が打てなくなることは意外となかった」という話はあまり真に受けないほうがいいと思った。現在私はQWERTY配列が打てない。
おそらくタイピングの考え方によるものであると考えている。これは「AI」の話と相性が良いので別の記事で書いていきたい。