硬さと場面。
とりあえず、博多を訪れるのであれば好き嫌い考えずバリカタは頼んでおくべきであろう。
という話でなくて、今回は万年筆の話である。
実は4〜50回は博多を訪れているがバリカタを頼んだことがない。
よく万年筆で言われるのが軟らかいペンの方が書き味が良いという話。
1年くらい前、私はペンは軟らかい方が無条件で良いと思っていてカスタム漆やM1000を買ったりした。
軟らかいペン先は少し筆圧に気を配れば綺麗に止め跳ね払いが出てくれて字が上手く見える書いていて面白い。
でも、洋服が時、場所、場合を選ぶようにまたペンも時、場所、場合を選ぶことに最近気づいた。(シャレオツピープルの間ではTPOと言うらしい)
最近、私は軟調ペンから少し離れ、定番品のニブを携えた軸を好んで使っている。
所謂カスタム74とか#3776センチュリーなどである。
もちろん、軟調なペン先はしっかりと綺麗な字で認めるのなら表現がしやすいし書き味も繊細で良いと思う。
でも、私はガシガシ(もちろん、痛めるような使い方でないが)と文字を書き起こすような場合で使うことが多い。そのような場合では定番品のペン先の硬さが非常に優秀だと思う。
定番のペン先は「酷使に耐えられるように作ってある」ではなく、「酷使するように作ってある」ように感じる。言い換えると、作家や学者が紙にガシガシと思考や数式を書き起こすような使い方を想定しているのではないかなあと思う。ちょうど私はそんな使い方をする。
尤も、私はそんな立派な立場でないが。:(