進捗
キーボードの配列をColemak配列にしてから1か月半くらいが経った。ここまでの実績とか、感想とかを書いていきたい。
定着までの期間、手ごたえ
在宅勤務が大半の中、キーボードの配列を変えるのは中々勇気のいる行動ではあった。実際、切り替えた数日のコーディングや書類作成はまともな仕事にならなかった。
1週間もすればColemak配列に慣れ、仕事の効率はさほど変わらない状態になった。この手の特殊配列に切り替えた人が大抵言及しているが補完機能などに頼ればタイピングの素の速度自体は大した問題ではない。とはいえ、ここぞという場面ではQWERTY配列にすることも多々あった。
1か月で思ったように手が動くようにはなってキーボードをさほど意識せず入力できる段階になっていた。この段階でもQWERTY配列の感覚がかなり色濃く残っておりKやRのミスタイプが多い傾向であった。仕事では完全にColemak配列を使っており、違和感もない。寧ろ、QWERTY配列の指のバタつきに苛立ちを覚える。
1か月半で記事を書こうと思ったのは、タイピング速度がQWERTY配列の7割ほどに達したためである。
e-typingの基準でColemak配列が309、QWERTY配列が409。QWERTY配列比75.5 %となる。
e-typingのスコアで300以上から素のタイピング速度で仕事になる水準だと思っているので個人的に一種の基準としていた。
現段階での感想
現状、Colemak配列はかなり快適に使えていると感じている。不満点もあるが、利点がかなり大きく、ある程度の工夫や訓練で無視できるものばかりである。
特に良いと感じている点
- 手首がほとんど動かない
- 指がばたつかないので長時間高速にタイピングができる
- QWERTY配列に比べて指が変な経路を通らない
- パスワードがタイピングから推測されづらい
- 学習期間が2ヵ月程度と短い
特にバタつきが少ないのはかなり良いと感じている。QWERTY配列で高速にタイピングしようとすると変に力がかかり、人差し指の関節が痛くなることもあったがColemak配列にしてから格段に少なくなった。作者の言っていた腱鞘炎のくだりは眉唾物ではないようだ。恐らくもっと「現代的」な配列だとよりばたつきも少なくなるのだろうが、まだColemak配列を味わっておきたい。個人的にはNorman配列あたりが気になっている。理由は使うときに書こうかな。
「QWERTY配列に比べて指が変な経路を通らない」。バタつかない点に似ているがちょっと違う。QWERTY配列で高速にタイピングするとあまりに変な経路で指が絡まることがある。そういった要因でタイピングが中断されるストレスがなくなったのがかなり快適だ。
逆に悪い点
場面によっては結構致命的な欠点がある。特に「Vimが使いづらくなる」のは個人的にかなりキた。キーボードのレイヤキーマップをVimライクにすることで手数は増えるが前の感覚のまま使えるようになった。vimrcを変えれば割と解決できる問題だが、いろいろな環境で使うのでvimrcは変えたくない。
あと、「右手の小指と薬指の使用頻度が高い」。特にこの二本の指は力が弱く、思ったように動かすのがほかの指に比べて難易度が高い。今までQWERTYでは感じなかったのでColemakの欠点なのか、そもそもQWERTYがその指をあまり使わない配列だったのか議論の余地がある。
学習時のストレスは本当に高かった。幼少期から使い続け、慣れていたQWERTY配列から切り替えるというのだから当然ではあるのだが。自分の中で何度もQWERTY配列に戻す言い訳を考えたが、乗り越えて何とか定着させることができた。
総論
Colemak配列に切り替えてよいと思っている。
学習時のストレスはかなりのもので、本当に切り替えられるのか不安だったが1ヵ月程度でかなり快適なタイピング体験が得られている。
指の関節の負担も明らかに減っており、オフィスワークにはかなり良いと感じている。仕事になるレベルまで2ヵ月かかるが、「手の健康」や今後の効率を考えるとかなり割のいい投資と評価できる。分割型キーボードを使えば肩への負担も減るので周りの目を気にしないのであれば2万円と2ヵ月で最高のタイピング環境をそろえることができる。
しかし、PCを他人に貸せなくなる点やほかの環境をスムーズに扱うためには応じた訓練が必要になってしまう点は大きな欠点といえる。今後こういった欠点がどのように効いてくるか注視する必要があるだろう。
この記事を執筆するにあたって使用したキーボード。
Dactyl Manuform 4*6 Custom + Wuque Studio Morandi + Drop biip MT3 Operator Keycap Set