ナズナ記

日記

やっぱりリニア

大学時代、物理の先生が仰っていた「人間は線形(リニア)なものしか解せないので、非線形な現象はどうにか線形的に扱う必要がある」という話。当時は疑い半分で聞いていたが、大学院などで実務的な分野を扱うほど似たような考え方をよく見るようになった。とはいえ、人間の感覚は対数関数に従うものだから、なんとも腑に落ちない。

前回の話。

kiriwari.hateblo.jp

経緯

実は前回の記事の翌日、例のキーボードは一度完成していたりしていた。前回の記事の通り、元々Wuque Studio Brownを使ってビルドしたのだが、やはり仕事で使うことを考えて手の負担や静穏性の観点からリニアスイッチにすることにした。特に静穏性は致命的なレベルで自分の声よりもタイピング音のほうが大きいのではないかというレベルの大きさだった。

スイッチ交換

使ったのは少し前にビルドしたDactyl Manuformと同じWuque Studio Morandi。「今から生涯1つしかリニアスイッチを使うことができない」と言われたら間違いなくこれを即答するくらいには気に入っているスイッチだ。静穏Padが入っているわけでもないのに底打ち感がマイルド。音も低音成分が大きく木管系楽器やピアノのようなイメージ。硬くも柔らかさを併せ持つ上品な打ち心地である。

完成した写真がこれである。キーキャップもイカしたキーキャップにした。*1実は、キーキャップは少し前に届いていて前回の記事のDactyl Manuformにつけていた。やはりこっちのほうが似合うかな。

昇華印刷の結構高価なキーキャップなので多色刷りでかつ上品な色合い。QWERTY列に数字と記号が入っており上品でもGeekな感じがしてかなりお気に入り。

ちょっと手を加えたり

Wuque Studio Brownの時、どうにか静穏性を上げられないかと結構頑張った。その中でもかなり良かったのが空間をガーゼで埋める処置。そもそも、騒音の原因はスイッチ自体ではなく、スイッチの衝撃を吸収したケースが原因である。特に、底板がダイアフラムのように働きさながら打楽器のような状態になっていた。当初は設計図を基に吸音材をカットしてもらおうかと思ったが、面で振動しているなら吸音材を張ったところで大した意味をなさないと判断してガーゼで面と空間を埋めることにした。

効果は絶大で、民族楽器のような音から高級キーボードのような上品な音になった。とはいえ、それでもうるさかったので泣く泣く交換となったわけだ。

余談

因みにDactyl Manuformのほうはこんな感じになっている。*2一緒に注文したキーキャップでこちらはダブルショット。これもこっちのほうが似合うかな。素朴な味付けのほうが似合うようだ。

最も内側のサムキーは使っていないので遊舎工房で見つけた「おしゃれ」なキーキャップをつけてみた。なかなか合っているのではないかな。

*1:Drop biip MT3 Operator Keycap Set

*2:Drop MT3 Black-on-White Keycap Set