文化の違いを感じたり
自作キーボードは中国、韓国、米国あたりがかなりホットな国で、特に中韓がかなり活発である。そのため、魅力的なものはこの3ヶ国から仕入れることになる。少し前に買ったDropのキーキャップは米国からの個人輸入であった。今まで中韓から仕入れていたので、米国だなあと感じる点があったので備忘録として書いておこうと思う。
中国、韓国
ひとまとめにすると政治的に怒られそうな気もするが傾向が似ているのでまとめておく。
中韓は日本に住んでいると「雑」なイメージを持つことが多い。「雑」というのも、売り手優位で気に入らないなら買うな、使えるだけの最低限でいいだろう。といった思想を持っていそうというステレオタイプな考えである。まあ正直自分もそう思っていたし、事実安価なレンジではそういった思想は強い。キーボード界隈では商品の割に大きな金額*1単位で扱うのでちょっと違った側面も見られた。
よく考えれば当然なのだが、日本のおもてなし思想に似た考え方があるようだ。日本は体裁のようなものを整えて相手をもてなすよう考え方があると思っている。かなり似た思想が中韓にもあるようだ。中韓からのみキーボードの部品を仕入れていたとき、全く気にも留めなかったが、商品を納めている箱が商品価格相応に豪華だった。特に高いものは箔押しでロゴがあったりして捨てるのがもったいないようなものも多い。あと、まあこれはある程度ニッチな界隈だからかもしれないが、梱包なども「この点は気にしてほしいんだろ?」という点はしっかり押さえてある。政治的な距離感こそ感じるが、思想的に近いものはあるようだ。
米国
まあ、今回Dropから仕入れただけだから、これだけでいろいろ議論するのはあまり正当ではないかもしれないという点は考慮すべきだろう。
米国、というか欧州のイメージとしては、まあこれは個人的なものな気もするが「見た目はきれい。ちゃんと動く。でも気分がよくないつくりをしている。」といったイメージがある。要は、電子機械でいえば、整線がしっかりされていないとかそういった話だ。
実際今回仕入れた感想は近からず、遠からずといったものだった。商品自体の梱包はかなり配慮されていそうな感じではあった。列ごとに厚紙で分離されており、キーが暴れないようになっていた。とはいえ、ちょっと顔をしかめたくなるような梱包だ。例えば、キーキャップのトップに傷がつかないようにスポンジが敷いてあるとかそういった機能面には問題は発生しないだろうが、気分はあまり良くない点が見受けられる。一方中韓は廉価レンジでもここら辺割と配慮されていたりする。あと、箱も薄くて駄菓子が入っていそうな箱だ。何も知らずに「この中に120$するキーキャップがある」なんて言われたら驚く。「お前ら、どうせキーボードにつけたら箱なんて捨てるんだろ」などと言いたげだ。いや確かにそうなんだけど。
ここまで悪い点を結構書いたが、商品自体はかなり満足度は高かった。キーキャップ自体はここまで配慮するかといった点までしっかりしていた。たとえば、ダブルショットの樹脂漏れが見えないようになっていたりとか、FJキーのドットを付けずに形状(型)自体を変えて見た目ではわからないように設計したりとか。商品自体の満足度に関しては断然Dropのほうであった。特に驚いたのがダブルショットの丁寧さだ。生産自体は中国で行っているのかもしれないが、この製造方法を選定したのは米国側だろう。キーキャップの裏面なんてある程度整っておけばいいものの、プレートの反射でキーキャップの裏面が見えても雑な部分が見えないようになっている。実は同じ価格帯の中韓のキーキャップは割とプレートの反射で気になるのではと思う部分がある。
左がDrop。右はAkko。同価格帯。というか全く同じ値段。
ある意味、商品でしっかりおもてなしをするといった具合だろうか。
まとめ
まあどちらが良い悪い言うわけではない。何かと政治的な距離を感じる中韓にある種の親近感を感じつつ、米国なりのおもてなしに感動したという話だ。自分的には良い学びになった。
この記事を執筆するにあたって使用したキーボード。
Chortyl + Wuque Studio Morandi + Drop biip MT3 Operator Keycap Set
*1:要は、通常のキーボードとは桁の違う単位で扱うということ。一般人はキーボード、ましてやキーキャップごときで1万円も出さない。